展示室
第2展示室
伊勢歌舞伎資料(千束屋資料)
もともとは、伊勢の芝居小屋(古市芝居と中之地蔵芝居)の興行のために来勢する江戸や上方の役者たちに貸し出されたのではないかとも推測されているが、明治・大正期には近郊の各地でおこなわれた地芝居に貸し出されることが多かった。
衣裳
現存する衣裳のいくつかは、明治24年(1891)の衣裳台帳に登録されており、その作成は明治初期に遡ると考えられる。
紫地鯉滝上縫打掛
(むらさきぢこいのたきのぼりぬいうちかけ)
傾城(けいせい)役に使用。この図柄は打掛としてはポピュラーなものであるが、金糸・銀糸を多用してあり、同種のものの中でも特に豪華である。
紫地鯉滝上縫打掛
赤地緋縮緬霞梅模様着付
(あかぢひぢりめんかすみにうめもようきつけ)
いわゆる「赤姫(あかひめ)」。時代物の姫様役に使用。
赤地緋縮緬霞梅模様着付
浅葱平絹地濡燕羽織・着付
(あさぎへいけんぢぬれつばめはおり・きつけ)
「鞘当(さやあて)」の名古屋山三(なごやさんざ)役に使用。
浅葱平絹地濡燕羽織・着付
歌舞伎台帳
千束屋には、「根本(歌舞伎台本)」ならびに「丸本(浄瑠璃台本)」が200点近く残されている。古くは江戸時代の文化年間の写しから、新しくは明治30年代のものまでを含む。これらも、衣裳や小道具とともに、芝居の上演に際して貸し出されていた。
歌舞伎台帳類