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特殊神饌

「特殊神饌」とは

 現在、熟饌が供えられる代表的な祭としては、宮中においておこなわれる大嘗祭(だいじょうさい)・新嘗祭(にいなめさい)や、伊勢神宮においておこなわれる日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)・月次祭(つきなみさい)・神嘗祭(かんなめさい)などがある。
 このほか、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)と賀茂別雷神社(かもわけいかずちじんじゃ)の賀茂祭(葵祭 5月15日)、春日大社の春日祭(3月13日)、大神神社(おおみわじんじゃ)摂社率川神社(いさかわじんじゃ)の三枝祭(さいくささい)などがある。
 神道博物館に展示しているのは、この賀茂・春日・率川神社などの特殊神饌である。

特殊神饌のいろいろ

春日祭神饌

 春日祭は、3月13日におこなわれる春日大社の例祭で、もとは藤原氏の氏長者が祭主として祖先を祀る祭であったが、やがて国がつかさどる祭祀となった。この折に供えられる神饌に、御戸開(みとびらき)の儀に供される御戸開八種神饌(みとびらきやくさのしんせん)と、勅使によって献供される御棚神饌(みたなしんせん)とがある。

春日祭神饌

「御戸開八種神饌」この神饌は、御殿の御扉をひらくための神事に供えられるものである


賀茂祭神饌

 5月15日におこなわれる賀茂祭は、勅使以下祭儀に奉仕する者全員が冠や烏帽子に葵鬘(あおいかずら)をつけ、家々の軒や人々も葵をかけるため、「葵祭」とも呼ばれる。この祭に供えられる神饌には、内陣神饌・外陣神饌・庭積神饌(にわづみしんせん)の3種類がある。

賀茂祭神饌

「賀茂祭内陣神饌」御本殿内陣に供えられるため、この名がある。


三枝祭神饌

 6月17日におこなわれる三枝祭は、大神(おおみわ)神社の摂社率川(いさかわ)神社の祭で、花鎮めの祭として著名なものである。三枝とは百合のことを指す。

三枝祭神饌

「三枝祭神饌」神饌類は、桧折櫃(ひのきのおりびつ)に納められて黒木御棚に載せられ、御棚の左右には白百合で飾った黒酒と白酒とを供える。


石清水祭供花神饌

 9月15日におこなわれる石清水祭は、古くは8月15日の祭で、「放生会」と称した。供花神饌は、草花鳥獣を作り物としたもので、十二台(六台ずつ東西に分ける)が、神前に供えられる。

石清水祭供花神饌1

「供花神饌(西)左から水仙之臺・椿之臺・菊之臺

石清水祭供花神饌2

「供花神饌(西)左から梅之臺・南天之臺・雪持竹之臺


石清水祭供花神饌3

「供花神饌(東)左から紅葉之臺・燕子華之臺・牡丹之臺

石清水祭供花神饌4

「供花神饌(東)左から橘之臺・櫻之臺・松藤之臺


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