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『日本書紀伝』
令和3年5月18日
鈴木重胤(1812~1863)は江戸時代(幕末)の国学者です。号は、橿屋(かしのや)、厳橿本(いつがしがもと)。淡路国津名郡仁井村の庄屋に生まれました。
国学に志し、平田篤胤との対面を果たすため秋田に旅立ちましたが、篤胤はすでに亡くなっており、霊前で門人となりました。その後、江戸に移り執筆活動を開始します。出羽の大滝家などの力を得て、『日本書紀伝』『延喜式祝詞講義』『中臣寿詞講義』などを著しました。
また、宗像信仰に篤く、筑前の宗像神社へ四度参詣しており、紀行文を記しています。
文久3年(1863)8月15日、52歳のときに、江戸の自宅にて暗殺されました。
『日本書紀伝』は、鈴木重胤が生涯の事業として晩年の精魂を傾けられた著述です。『日本書紀』の注釈書のなかで、最も詳細なものであり、深い信仰と思索とに裏付けられた神学的研究の成果を窺うことができます。
嘉永6年(1853)11月14日に起稿。各巻の巻末に奥書があり、それぞれの巻の起稿と脱稿との日が記されています。
起稿からほぼ10年の後、文久3年(1863)8月15日、重胤が暗殺されたため、執筆が中絶。『日本書紀』神代巻の天孫降臨第一の一書の注釈までで、あとは未完となっています。
『日本書紀伝』全巻の画像を「皇學館大学デジタルアーカイブ」で見ることができます。
ぜひ「皇學館大学デジタルアーカイブ」をご利用ください!
皇學館大学デジタルアーカイブ
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https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/2420355100
〈参考文献〉
『即位礼と大嘗祭』(皇學館大学、令和元年)
※『日本書紀伝』は皇學館大学所蔵です。