特別・企画展示

令和7年度博物館学芸員課程卒業展示「絵でめぐる伊勢路~参宮の今昔~」「伊勢音頭恋寝刃~演じ続けられる際物~」

皇學館大学博物館学芸員課程 卒業展示

 「絵でめぐる伊勢路 ~参宮の今昔~

 「伊勢音頭恋寝刃 ~演じ続けられる際物~

 

皇學館大学の学芸員課程を履修している4年生が、企画・展示します。

今回は、第2展示室にて、2つの展覧会(A班・B班)を同時に開催します!

学生たちが丹精込めて作り上げた展覧会を、ぜひご観覧くださいませ。

 

「絵でめぐる伊勢路 ~参宮の今昔~」

 「伊勢に行きたい、伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」と人々にうたわれたほど、近世で爆発的に人気となった「お伊勢参り」。その様子は時代によって様変わりしつつも、今も多くの人々が伊勢神宮に訪れています。

 近世のお伊勢参りでは、人々は街道や海路を利用して伊勢の地まで足を運んでいました。お伊勢参りの楽しみはその道中にもあり、当時の人々は伊勢神宮へと続く伊勢路そのものの観光も楽しんでいました。また、お伊勢参りの流行に伴って宿場町が発展すると、各地でお土産が売り出されるようになり、多くの名物がうまれました。その様子は浮世絵や物語にも描かれています。

 近代に入ると、鉄道や道路の整備によって交通の便が格段に改善され、⾧距離移動が容易となったことで、お伊勢参りは更に盛んになりました。また、神宮周辺の土地の整備が進められ、様変わりした伊勢の景観は、当時の写真や絵葉書から感じることができます。

 本展示では、時代と共に変遷してきた「お伊勢参り」の様子を、近世に描かれた浮世絵や版本、近代に制作された写真や絵葉書などを通じてご紹介します。当時の人々は、「お伊勢参り」をどのように楽しんでいたのか。また、「お伊勢参り」によって伊勢の文化はどのように発展していったのか。本展示を通して興味関心を持っていただければ幸いで す。

 

「伊勢音頭恋寝刃~演じ続けられる際物~」

 伊勢音頭恋寝刃は、伊勢国古市で発生した殺傷事件「油屋騒動」を題材とした歌舞伎演目です。この事件は、寛政8年(1796)5 月 4 日に古市の遊郭「油屋」にて地元の医者・孫福 斎が馴染みの遊女であるお紺を取られことに腹を立て、9名を殺傷した事件です。この演目は、上方で活躍した歌舞伎作者・近松徳三がわずか3日で書き上げ、同年7 月には大坂角の芝居で初演されました。また、江戸時代の伊勢古市は有名な興行地であり、上方歌舞伎の登竜門であると同時に、地元の人による地芝居が行われてきた場所でもあります。その伝統は現在も「伊勢古市歌舞伎保存会」の活動によって受け継がれ様々な演目が演じ続けられています。

 本展では、「油屋騒動」をもとに『伊勢音頭恋寝刃』として描かれ、歌舞伎、地芝居として 演じ続けられてきた演目を、実際の資料などを用いて展示します。 日本の伝統芸能である歌舞伎の知識を深め、関心を持っていただくと幸いです。

 

 

 

 会場     皇學館大学 佐川記念神道博物館  第2展示室・小原家文庫ギャラリー

 開催期間   令和7年8月1日(金)~ 9月27日(土)

 休館日    土曜日 / 日曜日 / 祝日 / 8月5日(火)、11日(月)~17日(日) / その他(開館予定にてご確認ください)

        ※8月9日(土)・8月10日(日)・9月20日(土)・9月27日(土)は終日開館

 開館時間   平日 9時30分~16時30分  ※入館:16時迄

       土曜日 9時30分~12時30分  ※入館:12時迄

 入館料    無料

 

皆様のご来館をお待ちしております。