特別・企画展示

【ミニ展覧会②】「日本宗教と音の世界-カミやホトケに捧げる願いのカタチ-」「戦前学生が過ごした日々~神宮皇學館での生活と戦争~」

神道博物館 ミニ展覧会

 「日本宗教と音の世界 -カミやホトケに捧げる願いのカタチ-

 「戦前学生が過ごした日々 ~神宮皇學館での生活と戦争~

 

皇學館大学の学芸員課程を履修している4年生が、企画・展示します。

2週間交代で2つずつ、合計4週間4つのミニ展示を開催します。

短い期間ではございますが、学生たちが丹精込めて作り上げた展覧会を、ぜひご観覧くださいませ。

 

「日本宗教と音の世界 -カミやホトケに捧げる願いのカタチ-」

 神社やお寺に参拝する際、鳥居や山門をくぐると心が静まるといった経験があるのではないでしょうか。その理由の一つに「音」が挙げられます。境内を踏みしめる砂利の音、社寺に参拝時に打ち鳴らす鈴や鰐口の音、祈りを捧げる時に響き渡る拍手の音…このような社寺独特の「音」を聞くだけで、参拝者を敬虔な気持ちにしてくれます。

 社寺に溢れる様々な音の中で、特に重要と言えるのが、人の声や楽器類が発する「音色」です。古来日本では、言葉には特別な霊力がやどると信じられてきました。神社では神主によって神様に奏上する「祝詞」が、寺院では僧尼によって、仏典に節をつけた「声明」が奏上されます。

 また、社寺の祭典や法要にはたくさんの鳴り物が使用されています。神道では、祭典中に神様を喜ばせるために奏でられる神楽や雅楽の「神楽鈴」や「龍笛」等の音色が挙げられます。仏教では、法要中に聞こえてくる「木魚」や「おりん」等の鳴り物の音色は、仏様への供養の形の一つと考えられています。

 また、日本古来の山岳信仰と仏教の密教、道教などが結びついて成立した修験道の中にも、音を奏でる法具があります。修験者はこれらを携帯して険しい霊山を歩き、様々な神社仏閣にお参りして修行するのです。

 本展示では、神社や寺院における人の声や楽器類から発される音色に焦点を当て、それらを奏でるために必要なモノたちをご紹介します。今後、神社や寺院に参拝した際、境内に溢れる様々な「音」に耳を傾けるきっかけになると幸いです。

 

「戦前学生が過ごした日々~神宮皇學館での生活と戦争~」

 皇學館大学の歴史は、明治15年(1882)に創設され、GHQによる神道指令によって昭和21年(1946)に廃学、昭和37 年(1962)に再興しました。令和4 年(2022)に創立140周年・再興60年という大きな節目を迎え、今この瞬間も歴史を積み重ねています。

 現代社会に生きる私たちの生活は、多くの人々が長い歴史の中で紡いだ、生活の営みの延長線上に成り立っています。普段何気なく過ごしている大学生活も、100年後には大学の歴史の1 ページとして刻まれていくのです。

 令和 5 年(2023)に、戦前の神宮皇學館大學に入学したとある予科生のご子息から、本学に資料寄贈がありました。その中には、当時教科書として使用されていたと推測される本や、在学時に趣味として読んでいた本などの書籍が数多く発見されました。これらの資料は、当時の学びを垣間見ることができる貴重な資料となっています。

 本展示では、激動の時代に青春を謳歌した“とある予科生”の旧蔵資料を中心に紹介していきます。展示物を通じて大学の歴史や文化に触れることで、その理解を深めることができると共に、学習や議論のきっかけとなるでしょう。戦前の学生がどのように学び、生活してきたのかについて興味をもっていただけたら幸いです。

 

 

 

 会場     皇學館大学 佐川記念神道博物館  第2展示室・小原家文庫ギャラリー

 開催期間   令和6年7月12日(金)~ 7月24日(水)

 休館日    土曜日午後 / 日曜日 / その他(開館予定にてご確認ください)

 開館時間   平日 9時30分~16時30分  ※入館:16時迄

       土曜日 9時30分~12時30分  ※入館:12時迄

 入館料    無料

 

皆様のご来館をお待ちしております。